*Ruby-days*

Ruby=赤いダイヤモンド(Red Diamonds)について、達也について、書きなぐる☆ コメント・トラックバックは大歓迎でございます!!

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春を迎えた大原サッカー場を田中達也がひとり軽快なリズムで走った。心なしか上半身がひと回り大きくなったようだ。その姿をおさえようとカメラを構え、ファインダー越しに見た。これに気づいたのか、田中は顔を軽く反らせ、遠くに視線を送った。その横顔はなんとも凛々しいものだった。長かった室内でのリハビリから、ようやく新たな段階に差し掛かった。

グラウンドの隅にあるトレーニング室からは必ずといっていいほど、田中の明るい声が聞こえる。「1,2、3、4、5・・・」数を数える声。「まだまだ。あと少し。あともうちょい」と仲間を励ます声。そして「ガハハハ」と陽気に笑う声。それはクラブハウスに戻ってからも同じ。エントランスにまで大きな声が響き渡る。とてもリハビリ中の選手とは思えないほどの明るさだった。この持ち前の明るさがある一方で、練習に向かう姿勢は真剣そのもの。10回で済むところを11回、12回・・・。30秒で終わるところを1秒、2秒・・・と伸ばしてゆく。できるギリギリのところまで自分を追い込む。「達也さんの一生懸命な姿勢は本当に勉強になる」と共にリハビリに励んだ細貝萌が話すように、ほかの選手にも良い影響を与えている。

ちょうどチームがシドニーFC戦へ遠征していた時。リハビリを終え、足首をアイシングしてクラブハウスを後にする田中に、今の状況を尋ねた。去年12月、シーズンが終わると同時に、おととしの大ケガのときに埋め込んだプレートの除去手術を行った。あれからおよそ4ヶ月。彼はチームの練習に合流していない。我々が思った以上に田中の復帰が長引いているように思えた。では、何が復帰を邪魔しているのか。本人に尋ねた。するとこんな答えが返ってきた。

「順調にはきています。監督から復帰をいつとは言われていません」と話した後、早口にそして、少し強い口調で「痛みさえなくなれば、すぐにでも出れるんです」。この口調に彼の苛立ちやもどかしさを感じた。

この心境を代弁する人がいる。野崎信弘トレーナーだ。「今の時期が達也にとってキツイ状況だと思う」と話す。多少の痛みはあるものの無理をすれば、できなくはない。しかし、今は無理出来ない。田中の言葉通り、痛みさえなくなればできるのだが、その痛みがいつ消えるのか、誰にも分からない。見えないゴールを目指しているといっても良い。同じ程度のケガでも完治する日数や状況は個人、個人でまったく違う。だからいつ痛みが無くなるのかは結局、己の体だけが知っている。先が見えない。いつ終わるとも知れない痛みとの戦い。

それでも野崎トレーナーは「本当は我々が彼に対して、(ケガへの)道筋を立てなくてはならない。なのに達也はピッチでやりたい気持ちをぐっとこらえ、黙々とトレーニングを続けている。しかも弱気な部分を一切、僕らには見せない。本当に精神的に強い選手だと思う。だから、ある意味、僕らスタッフは達也に助けてもらっているのかもしれない」と語っている。

この気持ちの強さが田中達也たる所以なのである。


満開の桜の中、田中は久しぶりにボールの感触を味わった。その顔は笑顔でいっぱいだった。細かいステップをしながら、右足、左足と確かめるようにボールを蹴りだした。
「復帰はまだわからないけど、頑張ります!!」と田中達也。
この明るい表情には一点の迷いも焦りもなかった。

長かったトンネルの向こうに、ようやく光が差し込んだ。
こうなれば、光の方向へ走り抜けるだけだ。



文 佐藤 亮太



07/04/04レッズプレス掲載。
春から新生活が始まり最近、個人的にも忙しいので、
達也のコトが出てもメモ帳代わりに*Ruby-days*を更新しています☆

この笑顔が、あのプレーが、早くスタジアムに帰ってきて
赤い大観衆を大いに湧かせることを一番に待ち望む―――。
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